特別展 |
古代ギリシャ ― 時空を超えた旅 ― |
A Journey to the Land of Immortals: |
Treasures of Ancient GREECE |
すべての、はじめり 。 神話の国、ギリシャ |
ギリシャには古代、時代や地域によりさまざまな美術が花開きました。 その中心は一貫して神々と人間の姿と物語でした。 大理石を削って作った小さなキュクラデス偶像、幾何学様式の壺絵からマケドニアの美しい金製品、等身大のヘレニズムの神像まで、歴史の変遷とともに見事なまでの多様性を目にすることができます。
本展はギリシャ国内 40 か所以上の国立博物館群から厳選された 300 件を超える古代ギリシャの貴重な作品を展示する、日本でかつてない規模の試みです。
青きエーゲ海の美しい島々からはじまるギリシャ最古のエーゲ海文明からヘレニズム時代まで、西洋文化の源である古代ギリシャ文明の黎明から最盛期に至るその壮大な歴史の流れを総合的に紹介しています。 |
展覧会のポイント |
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'2016 6_20 報道内覧会の会場内の風景です。 画像をクリックすると大きな画像でご覧いただけます。 |
特別展 「古代ギリシャ ― 時空を超えた旅 ―」 |
古代ギリシャ 4000 年以上昔の世界 への誘い
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―ギリシャ世界の創造の物語― |
「展示構成」―「古代ギリシャ ― 時空を超えた旅 ―」カタログ、 PRESS RELEASE などから抜粋して掲載しています― |
この展覧会は、ギリシャの各地を巡る旅へのいざないとして企画された、それは 13 万年以上の間、地中海東部の各地に居を構えた人々と英雄と神々の足跡を巡る旅である。
先史時代からヘレニズム時代、ローマ帝国の支配下に至るまでの何代にもわたり、地理的にもまったく異なるさまざまなギリシャの地方で栄えた驚くべき文化のただ中へ、選りすぐられた展示物が来場者を引き込むだろう。 |
「本展の構成」 |
'2016 6_20 報道内覧会 「古代ギリシャ ―時空を超えた旅―」 の各章の概要と会場内展示風景です。 画像をクリックすると拡大画像でご覧いただけます。 |
第1章 古代ギリシャ世界のはじまり (前 7000 年紀~前 2000 年頃) |
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新石器時代から青銅器時代、そしてキュクラデス諸島での独特な人間中心的文化の出現に至るまで、先史時代のエーゲ文明の形成が展示される。 変化に富んだ優れた制作物は、初期段階での高度な加工技術を明確に示し、組織された社会構造の洗練を示唆している。 特に注目されるのは、作陶技術の役割と特徴的な大理石小像に関する複雑な現象の解釈についてである。 | |
・4 《女性像》 1 軀 前 4500~前 3600 年 (末期新石器時代) クレタ島、イエラペトラ、カト・ホリオ出土 粘土 |
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前 6000 年代に入ると村落が発達し、農耕や牧畜の生活を始める。 石の道具類も発達し、新石器時代の独自の土器に粘土や石でつくられた人形の像などが出土している。 前 3200 年頃、ギリシャは青銅器時代に入った。 ギリシャ本土をヘラディック文明、クレタ島周辺をミノス文明、エーゲ海の真ん中のキュクラデス諸島をキュクラデス文明と呼ぶが、小アジアのトロイア遺跡やエーゲ海北東の島々など、近年ではすべてまとめてエーゲ海文明と呼ぶことも多い。 |
第3章 ミュケナイ文明 (前 1600 年頃~前 1100 年頃) |
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前 3200 年頃に始まったギリシャ本土の青銅器時代のことをヘラディック文明と呼ぶが、この地域では前期・中期にはそれほどの繁栄は見られない。 ところが前 1600 年頃、ミュケナイ (ミケーネ) をはじめとするいくつかの地に突然大きな力を持つ王が現われ、宮殿や城壁を築き、ついにはクレタ島すら支配下に置く。 これをミュケナイ文明と呼び、その時代 (つまり後期ヘラディック時代に該当する) のことを特にミュケナイ時代と呼ぶ。 | |
・86 《銅剣》 2 振 プサラ島、アルホンティキの墓地出土 86-1: 47号墓 前 1320~前 1200 年 (後期ヘラディックⅢB 期) 長 44.4cm、刀身幅
4.8cm / 86-2: 100号墓 前 13~12 世紀 長 43.0cm、刀身幅 3.5cm、柄幅 4.4cm 青銅 キオス考古学監督局 |
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ミュケナイ文明の特徴的な建築の宮殿は守りを堅く、各地の宮殿を囲む城壁は巨石を巧みに積んで築かれ、とても人間業とは思えないことから神話の巨人の名をとってキュクロプス式
と呼ばれ、堅牢な城塞であったが防衛強化の甲斐なく、前 1200 年頃にほとんどの宮殿は破壊された。 ミュケナイ世界はトロイアに勝利した伝説の英雄たちの世界で、戦士の墓の副葬品は武具、宝飾、工芸品などから社会的地位の重要性を強調する。
ミュケナイ初期の王族の墓である円形墓城から大量な黄金の出土品は、「黄金に満ちたミュケナイ」 というホメロスの記述を裏付けると同時に、ギリシャ先史時代の文化に光を当てた。 |
第5章 クラシック時代 (前 480 年~前 323 年) |
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アテネ人が全ギリシャのために前 490 年にアテネ近郊のマラトンで戦い黄金のペルシャ人の軍隊を撃退、その後サラミスの海戦で辛くも勝利した。 こうしてギリシャとアテネがもっとも繁栄したクラシック時代が幕を開ける。 アテネのアクロポリスでは、前 5 世紀の半ばを過ぎた頃に、ギリシャ本土最大の、総大理石によるパルテノンの建設が始まった。ギリシャ舞台芸術はアテネ人劇作家たちよってアテネの外へと広められ、ギリシャ領土内に 125 を超える劇場が確認される。 政治的には、アテネの覇権は長くは続かなかった。 ペロポネソス戦争が勃発し、前 404 年にアテネは降伏する。 | |
・237 《アリストテレス像》 1個 1 世紀後半 アテネ、アクロポリス博物館敷地出土 大理石 高 45.5cm、幅 30.0cm アテネ、アクロポリス博物館 |
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古代アテネでは民主政のイデオロギーは、また都市計画や建築、芸術を生み出す源泉でもあった。 アテネ民主制下での思想の自由な流れと人間中心的価値観が、哲学の発展を育み、ソクラテス、プラトン、アリストテレスがその代表である。 ・237 アリストテレスは 、プラトンの弟子としてアテネで教育を受けた。 彼はペラの王宮でアレクサンドロス大王の家庭教師であった。 前 335 年には、アテネのリュケイオンに有名なペリパトス (逍遥) 学派を設立した。 彼の哲学上の業績は、西洋世界における科学の発展の土台となった。 |
第7章 マケドニア王国 |
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マケドニア王国の起源は前 7 世紀前半のことで、マケドニア王の住居は広大かつ豪奢な宮廷で、クラシック時代にペラに遷都した。 王はマケドニア全土の豊かな天然資源、金鉱山 (金を豊富に産出) 、森林そして広大な土地の所有者であり、都市には自らの財源があり、政治的権利を付与する権限も備わっていた。 マケドニア王国は前 5 世紀、巨大な都市国家だったアテネの脅威となった。 フィリッポス 2 世 (在位 前 359~前 336 年) とアレクサンドロス大王 (在位 前 336~前 323年) の治世にマケドニア王国の世界勢力が確個たるものになる。 | |
・281 《アレクサンドロス頭部》 1個 前 340~前 330年 アテネ、アクロポリス出土 大理石 高 35.0cm、幅 24.0cm アテネ、アクロポリス博物館 |
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マケドニア王フィリッポス 2 世は、前 338 年のカイロネイアの戦いでアテネとテパイの連合軍を撃破し、対外戦争と巧みな外交、都市建設などによってバルカン半島随一の強国にした。 フィリッポスは前 336 年、娘の結婚式の最中に、側近によって暗殺される。 アレクサンドロス (フィリッポス 2 世の息子) は弱冠20歳にしてマケドニアの王となり、前 334 年東征を開始した。 マケドニアによるギリシャの覇権掌握からアレクサンドロス大王死後、後継者たちが建国したヘレニズムの諸王国が互いに争い、ローマ人による王国の解体 (前 168 年) までの 200 年間には、王国の経済的構造と住民の文化的レベルが大きく変化した。 |
開会式の主催者ご挨拶 マリア・アンドレアアダキ・ヴラザキ博士 (ギリシャ共和国文化・スポーツ省事務次官) |
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特別展 「古代ギリシャ―時空を超えた旅―」 展の開会式に、皆様をお迎えすることができまして、心から喜んでいます。 ギリシャ共和国文化省として東京国立博物館、長崎県美術館、神戸市立博物館、といった国内有数の文化学術施設をおかりして、ここまで大規模な展覧会を日本で開催できることは、私共にとりまして、名誉でもあり、誇りでもあります。
2016年6月から2017年4月までの期間、東京、長崎、神戸に順次古代ギリシャ地域の価値ある作品が 1325 点、件数にして 400 件以上展示されます。
今回の展示品は、すべてギリシャに類している物で、その中には国立博物館等の収蔵品や個人のコレクション、さらには計画的に行われた考古学の発掘調査に基く史跡品も含まれております。…歴史的、芸術的価値の高い作品を堪能され、6000
年の歴史を誇る古代ギリシャ文化を全面にふれられる機会を、多くの皆様にお楽しみいただけるものと思います。 |
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山がちな半島であるギリシャは、エーゲ海、イオニア海、ミルトア海、クレタ海に囲まれ、その海上には大小 6000 近くの島々が散在している。 南部では険しい後背地が小さな谷で分断されており、より重要な平野部は国の中部と北部にある。 |
お問合せTel:03-5777-8600 (ハローダイヤル) 展覧会公式サイト:http://www.greece2016-17.jp/ 東京国立博物館ウェブサイト:http://www.tnm.jp/ 主催:東京国立博物館、ギリシャ共和国文化・スポーツ省、朝日新聞社、NHK、NHKプロモーション 企画協力:東映 後援:外務省、駐日ギリシャ大使館 協賛:あいおいニッセイ同和損保、竹中工務店、日本写真印刷、三菱商事 |
参考資料:「古代ギリシャ ―時空を超えた旅―」図録、 PRESS RELEASE 他。 |
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